2016.01.30
二足のわらじ;
人材のマーケットで競争力のある人はどんな人か? という質問を受けて、改めて考えてみた。
やはり、競争力があるということを考えると、コンピテンシーレベルが3.5以上という条件で考えればよいだろう。そういう高いコンピテンシーのレベルにも、それなりの幅があるものだし、いろいろなパターンがあるから一概には言えない。だけど、質問の趣旨からして「見習いたい、またはそうなりたい」ということだと思うので、それなりに具体的な「目指せる状態」を示せないといけない。そう考えたときにふと思いつくのが、タイトルにも書いた「二足のわらじ」である。
一つの分野で専門性を極めて、それで高い成果を出せる人はよくいる。しかし、どうしても3.0に留まってしまうケースが多い。ところが、2つの職種をしっかりと極めると、それを組み合わせることで、4.0相当の意図を持つことができたりする。例えば、生産管理と人事の視点を持った人がいたとする。普通に生産管理だけを知っている人は、業務プロセスや仕組みの改善にしか着目できないのに対して、人事の視点も併せ持っていると、動機付けや評価、育成といった視点でも課題を形成できるので、より本質的な解決策に届きやすくなる。営業しか知らない人よりは、営業と経理をしっかり極めた人の方が、より本質的な数字の上げ方を発想できる。そんな風に、一つよりは二つ、二つよりは三つのわらじを併せ持った人の方が、よりよい成果をイメージできる。
異動すると、前の職場といまの職場は違うと考えて、すっかり切り替えてしまう人が多い。そうではなく、いままでに経験してきたことを、全く違う畑でも生かそうとすることが、結果的に差別化された成果を生み出すパワーになる。
経験やキャリアを使い捨てにせず、応用、転用して使い切り続けること。誰にでもできて、それなりに当てはまるハイパフォーマーへの足がかりと言えるのではないか。