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コンピテンシー実用講座

(8)コンピテンシーインタビューの技術 ①基礎のおさらい

罠の話が長くなりましたので、ここでいったん基礎のところで紹介してきた、『コンピテンシー分析に必要な情報収集』について、おさらいをして、まとめてみたいと思います。要点は二つしかありません。

 

一つ目は、コンピテンシーインタビューの基本的なストーリー。

 

コンピテンシーインタビュー の基本形は、以下のような展開となります。

 

1) その人が出した『取り組み』と『成果』を聞く(What)
2) その成果につながった『行動』を聞く(How)
3) その行動に至った『意図』と『思考』を聞く(Why)

 

この3点をセットで押さえることで、その人のその成果が、その人の実力で出した成果なのか、それともたまたまラッキーで出ちゃっただけの成果なのかを見極める。これが、コンピテンシーインタビューの骨格です。

 

二つ目は、情報の具体性。
上記ストーリーの各ステップにおいて、情報の具体性を高め、「いろいろあるけれど」なんて言葉が当てはまらないレベルに落とし込む必要があります。
これまでにも何度か言及してきたように、コンピテンシーインタビューの技術とはそのほとんどが『具体化』のための技術です。これから何回かに分けて、それをお伝えしていくことになりますが、基本的な具体化の『条件』を整理しておきます。

 

1) 取り組みと成果(What)を聞くときには、客観的に確認可能な『指標』と『水準』に落とし込む
2) 行動(How)を聞くときには、『日付』『場所』『固有名詞』が確認できるレベルの具体性に落とし込む。

また、六大禁句に代表されるような『単語』ではなく、具体的にどのような『動作』だったのかというレベルの具体性に落とし込む。
3) 意図と思考(Why)を聞くときには、成果(What)とのつながりを押さえる。

 

これらの基礎を確認した上で、次回は第1のステップとなる、『取り組みを聴く』技術について紹介します。