2016.06.21
自称他薦:
クルマでの移動中。J-waveの朝のラジオ番組で「文具ソムリエ」という肩書きの人が出演していた。この文具ソムリエ、国家資格でもなんでもなく、本人曰く「自分が勝手に名乗っているだけ」なのだそうだ。すると、パーソナリティの別所さんが「以前にも、ウォーター・ラボラトリストという人が来たことがある」と、自称ネタで受けていた。
自称というのは、実はキャリアアップを考える上でも非常に有効なアプローチだ。たとえば、社内でも社外でも「人事部の〇〇です」と名乗る人は多い。これは所属を伝えているだけで、自分を伝えていない。そこでこう名乗ったらどうなるか。
「評価制度スペシャリストの〇〇です。」
こうなると、自分の能力のPRになる。逆に言えば、こう名乗った以上、その名乗りに応じた能力を発揮しないといけなくなる。おのずと、その分野の研鑽に意識が向いていく。
自分で自分の肩書きを決める。それが自称ということだが、自称を決めることで、自分の強みの言語化につながり、ひいては自分のキャリアの方向性を決めることになる。私は研修などで自己紹介をするときに、「現場系」のコンサルタントだと名乗る。現場に強いコンサルタント。当然、現場であれこれとやりとりして変えていくような相談を多く頂くことになる。
とかく企業に勤めていると、所属名だけで自分を定義してしまうことが多く、結果的に自分で自分のキャリアを作り上げていくという意識になりにくい。会社に勤めている人ほど、自分の肩書きを決めて、その肩書きにふさわしい自分を作っていく意識が必要だ。それも、複数作るとキャリアの多重性につながり、より強いジョブ・セキュリティーを担保できるだろう。
自分で自分の肩書きを自称し、その肩書きで他者が推薦してくれる状態を目指す。自らの競争力の源泉を作り出していくには、有効なアプローチだ。