2016.05.24
センス(感覚);
センスがあるとかないとか言う。何だか先天的なものであるかのように語られることが多い。「センスがないからダメだ」とか。こういう抽象的なところで止まっているテーマを、すこし論理的に(この場合は分解して、具体化すること)捉え直すと、人材育成の切り口につながることが多い。
センス(感覚)を売り物にしているわかりやすいビジネス(服飾や商品開発、広告や映画のプロデューサーなど)において、ハイパフォーマーのインタビューをすると、ほとんどの場合、持って生まれたもので勝負していない。実はかなりの努力を伴っている。特に、「知識・情報量」に対する努力は並々ならぬものがある。他者の作品や事例は微に入り細に入り分析する。世の中でどのようなことが起きているのかを、幅広くアンテナを広げる。
それから、自分自身の経験もきちんと蓄積する。具体的にはメモを取る。記録を残す。ちょっと気付いたこととか、おかしいと疑問に思ったこと、いいなと思ったもの。なんでも記録する。
あとは、いろいろと試してみる。服飾で言えば、ありえない組み合わせを試してみたり。ありえない素材を取り入れてみたり。スポーツだったら、いろんなトレーニングの方法やフォームを試してみたり。
単に知識や情報を溜め込むのではなく、「目的やゴールイメージを持って」「それに役立てることをイメージしながら」「興味と好奇心を持って、様々な知識や情報を蓄えていく」。そう考えると、どうも経験知がセンスの源泉になっているようだ。
センスがないことに悩んでいる人は、まず、経験知を意図的に蓄えていく努力をしてみてはどうか。