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今日の一言

意図の形成:

先週、コンピテンシー発揮の第一歩が状況認識だと書いた。そうしたら、ありがたいことに第二歩はなんだという、ご質問をいただいた。

状況を認識すると、私たちはその状況をこうしたいという意図を形成する。これが第二歩に該当するのではないかと思う。同じ状況に出会っても、意図の持ち方は様々だ。どれだけ高い専門性やノウハウを持っていたとしても、意図の持ち方が低ければ、宝の持ち腐れとなる。課長というポストが与えられたとしても、その課をこうしたいという明確なイメージを持てず、日々の業務に埋没していく人も多い。同じ顧客を担当しても、担当する営業の意図の持ち方でアプローチが変わってくる。

よく、就職や転職のために資格を取ろうとする人がいる。それ自体はけっして悪いことではないが、資格だけで生きていける世界は年々減り続けている。その資格を用いて何をしたいのか。どういうサービスを、どのレベルで提供したいのか。そうした具体的なゴールイメージがあってはじめて、その資格が生きてくる。

ハイパフォーマーというと、その独自の工夫や突出した技術力ばかりが着目されるケースが多い。実際にはその一歩手前、意図の形成のしかたが私たち凡人とは全く違うのである。

仕事をするときに、その仕事で「通常目指す成果」を具体的に言語化して、その一歩上、二歩上を考えてみる。プロセスの前に、その訓練に取り組んでみると、仕事のしかたも変わってくる。