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コンピテンシー実用講座

実用編(1)業務分析 ②高業績者インタビューの進め方(つづき)

成果の定義、言い換えると『高業績者』の定義の続きです。

前回は論理的アプローチの一つ目、会計からのアプローチをご紹介しました。

 

その会計からのアプローチを補完するために有効なのが、機能からのアプローチです。

機能からのアプローチも、やることはほぼ一緒です。『会社に必要な機能』をもれなく分解するロジックツリーを作り、洗い出した機能を、組織や階層に割り振っていく。それだけです。

会計から洗い出した『指標』と、洗い出した『機能』を各組織、各階層に割り振っていくと、

「その指標がその組織につくっていうことは、その組織にはこの機能があるってことだ。」

「その機能がその組織につくのなら、この指標は、この組織につくってことだよね。」

こんな形で補完され、個々の組織の『成果』が定義されていきます。

同時に、こうやって、全体像から分解して割り振るというプロセスを踏むことで、

「この機能って、どこの組織や階層が担ってるの?」

と、いう形で成果や機能のポテンヒットを防ぐことができます。また、

「この組織の成果が、どこの組織の成果と、どう組み合わさっているのか?」

という、組織間のつながりや連携の必要性の確認にもつながっていきます。

 

こうして、会計と機能という二つの観点からその仕事なり組織なりの『成果の定義』が決まっていきます。

たとえば、このパートの冒頭で例に挙げた、

「経営企画の成果とは何か?」

と、いう問いかけの答えとして、以下のような定義がアウトプットされます。

 

A社の経営企画部の成果

・最終成果は、経常利益金額に関わる経営計画の達成

・そのプロセス上の中間成果は、

1)立案した課題解決施策の、経営責任者による採用

2)採用された課題解決、施策が当事者によって実行されている状態の創出

3)実行による経営計画のマイルストーン(短期目標)の達成

 

これを、誰よりも高いレベルで実現している人が、『高業績者』ということになるわけです。

(上記は、あくまで一例です。経営企画にどのような機能を求めるのかは、会社によって異なり、機能定義が変われば、成果の定義も変わります。)

 

次回は、実績からアプローチして『成果』や『高業績者』を定義する方法をご紹介していきます。