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今日の一言

読書と収入:

ネットの記事を見ていたら、「幼少期に本に囲まれた生活、環境に置かれていた人ほど、大人になってからの収入水準が高い」という趣旨のコラムがあった。読んでみると、収入ゾーンごとに「幼少期、家に100冊以上の本があった」とか「家に本棚があった」とか、そういうアンケートをとって、その結果から導いた結論らしい。あくまで結果論であり、不確かな記憶に基づくものだから、科学的でも論理的でもない結論だと思う。
だが、コンピテンシーアセスメントをしていると、成果を生み出す行動の起点は、「こうなったらどうなるか」という想像力、シミュレーション力や、「こういう状態にしてやる」という目標設定力であることが多い。すべての本がビジネスに直結するというわけではないと思うが、読書が経験値の拡幅と考えれば、より多くの本を読めば読むほど、想像力の幅が広がるという効果につながる。そう考えると、意外と納得できる。同じ状況に直面しても、成果の描き方が変われば当然、仕事の仕方やアプローチが変わる。
映画やラジオなど、様々な人生や出来事を情報として吸収できるものであれば、本でなくても良いのかもしれない。肝心なのは「様々な生き方」を知ること。それから、自らの生き方を狭く考えすぎないこと。
読書量が収入水準に影響するというのは、本が、自らのキャリアの可能性を広げて考える材料になっているということなのではないか。
ちょっとしたコラムだったが、そんな風にいろいろ考えさせられて、なかなか面白かった。