2016.01.26
育成責任;
目標管理やコンピテンシーなど、評価・育成に関わる研修は、昔から管理職向けにやるものと相場が決まっていた。しかし、この4、5年の中で、対象層がぐっと下がってきているような気がする。
もともと、目標管理やコンピテンシー分析は、人材の自律的な業務遂行力を高めていくことに主眼が置かれている。ところが、管理職にその余裕がない。必然的に、育ててもらわないと伸びることができない人材では、職場の要請に適合しなくなってきた。かといって、「勝手に伸びろ」と突き放せるわけもない。
そこで、若手や中堅社員にも人材開発の基礎を研修で伝えて、どうやって自分を振り返り、どのように自分を育てていけばよいかをきちんと教えていこうということになる。自らの育成に自ら取り組ませていこう、という発想だ。
管理職の役割が無くなるわけではない。管理職も同じように、育成に必要な知識やスキルを身につける。それを共通言語として、自らの育成に取り組む部下を支援するのである。いわゆるサーバントリーダーシップというやつだ。
一方的に育成責任を管理職が持つよりも、こうした取り組みは具合が良さそうだ。若手が自らの評価を客観的に行い、その地点から自分をどこに向けて、どのレベルまで高めていくかを考え、取り組んでいく。管理職は脇役に過ぎないから、部下も過度に依存しない。
無論、賛否両論あるので、これがベストと言うつもりはない。だが、組織の現実と効果を考えるならば、職場単位でも試してみる価値はある。