2015.11.26
リスクの基準:
ロジカルシンキングの演習で、「失業の原因」を漏れなく洗い出すというテーマを出した。自責、他責から始まり、倒産、リストラ、病気、事故、天災、人間関係のもつれなど、40分で4階層ほどのツリーが書けて、おおむね漏れなく洗い出すことができていた。
ロジックツリーを書いたあとには、必ず評価と構造化という作業が伴う。このときも、真剣に対応すべき、優先順位の高いリスクを抽出していただいた。結果、よくわかったのは、「人は見たいものだけを見て、見たくないものから目をそらす」という、至極当たり前の事実だった。せっかく論理的に洗い出しても、その後が非論理的になってしまったら、元の木阿弥。「働けないような病気になってしまったら、あきらめる」とか、「天災は仕方がない」とか、そういう個人の恣意的な想いを入れず、発生確率や発生時のダメージの大きさなど、客観的な基準を設けて評価するのが論理的なアプローチ。
ところで、多くの人が「自分の会社がつぶれる可能性は低い」と認識しているのが、時世を考えると、少し意外だった。いいことなのかどうかはわからない。ただ、少し無防備にすぎるな、というのが正直な印象である。