2015.10.14
意味のない否定:
感覚や感情で誰かを否定すると、求める効果とは違う方向に相手が向かってしまう。例えば、子供が忘れ物をしてうなだれているときに、「漫画ばかり読んでいるから、忘れ物をするのよ」と言う。これは、明らかにおかしい。忘れ物と漫画の間に明確な因果関係を確認できているのならまだしも、大抵の場合、そうではない。単に漫画を読んでほしくないだけなのだ。目の前で起きているのは忘れ物なのに、それをダシにして漫画を否定する。で、これで相手が漫画を自粛するかというと、子供なりに理屈がおかしいことがわかるので、なにも変わらない。下手をすると、相手の間違いを立証するために、漫画を読みながら忘れ物をしないように、などとわけのわからない努力を始めたりする。こういう目的のすり替えは日常の会話の様々なシーンで見かける。
誰かを否定するときには、まず相手にどう変わってほしいのかを考える。それから、そうなるにはどういう言い方をしたらよいか、どういう理屈がよいかを考える。発作的な否定に注意して、理性的にアプローチすることが大切だ。