2015.09.18
粘り強さ:
新入社員に、仕事をする上でいちばん大切な能力はなにか? と、聞かれると、最近は粘り強さだと答えるようにしている。彼、彼女たちは、考える力や理解する力については、十分なレベルであることが多い。ただ、私が育ててもらった頃よりも業務プロセスの進行スピードがはやく、組織の厚み(簡単に言えば階層)が薄い。昔のように簡単に身に付けられる作業ベースの仕事も殆どない。経営環境も常に逆風である。つまり、簡単には成功体験を得られなくなっている。
一方で、彼らが受けてきた教育環境は拙速となっている。解き方をじっくり考えるのではなく、解き方そのものをテクニックとして教わる。短いサイクルでテストがあり、そこで成功を実感できる。モチベーションを維持するために、成功体験を演出しまくる大人たちに囲まれて、「いい学校」を卒業してくる。その彼、彼女らが最初に直面するのが、「何をやっても簡単にはうまくいかない」という、我々からしたら当たり前の現実なのである。
だから、粘り強さ。何度負けても、最後に勝てば勝ち。ゲームのルールが全く違うのだということを、強調して伝えている。