2016.12.19
不可能という前提条件;
様々なアセスメントに携わっていると、不可能という現実をどう認識するかが、私たち凡人とハイパフォーマーを分ける境界線であることがよくわかる。普通、私たちは不可能という現実を「回避の前提条件」として処理する。つまり、不可能だという結論に達したら、そのオプションはとらないのが普通だ。ところが、ハイパフォーマーにとっては、不可能という現実は「積極的に取り組むべき」という結論の前提条件となる。その論理は単純で、「不可能を可能にすると、先行者利益が得られるから」である。たとえば、関係者全員が「そのコストを100円未満にすることは不可能だ」と言ったなら、それを99円にすることができれば、だれもついてこない。圧倒的な競争力になる。彼らの悩みは、「最近はできないことがなさすぎる」と言う。こういうことがしたいのにできない。不可能だ。そう感じた時、彼らはチャンスだと思う。そして、「そういうことができる方法がない」ということを確認するためにネットで検索する。そうすると、それを可能にする方法が世界のどこかで編み出されていて、「できる」ということがわかってしまう。そうすると、うれしい半面、残念に感じるのだ。
普通の私たちはそういう時に、どう認識するだろうか? 「こういうことがしたいのに、できない」という事象に直面すると、「しかたがない」「ふつうは無理だよな」と、納得して、別の方法を探す。世の中にはすでにそれを可能にする方法があるというのに、探しもしないから、気づかない。「不可能である」ことを期待しながら、ハイパフォーマーは探す。で、見つけてしまう。見つけたら見つけたで、普通の人はあきらめているわけだから、それを使えば普通の人を上回る成果を出す。そうやって、日々、一歩、二歩と、普通の人を上回っていくのである。
「不可能」という認識を、どのような結論の前提条件として活用するか。そこを切り替えられるかどうかは、キャリアを作っていく上では、とても大きなハードルなのである。