2016.07.07
上司に求められる仕事力;
最近、仕事力に関わる研修(タイムマネジメントやロジカルシンキング、プレゼンテーションなど)を実施すると、必ずと言っていいほど出てくる質問(というよりは相談)がある。それは、「そもそも上司の仕事の仕方がそうなっていない場合は、どうすれば良いか?」というものだ。たとえば、問題解決研修で「経験則で決めつけず、想定される原因をきちんと分析して、事実関係を確認した上で対策を打つ」という話をする。すると「上司が自分の経験則で対策を指示してくる。頭で考えず、体で覚えろと言ってくる」と、講義の内容とのギャップを相談してくるのである。また、「上司や顧客のニーズを具体的に確認して、何度もやり直しを求められるような無駄を防ごう」という話をすると、「うちの上司は具体的なことを聞き出そうとすると、自分で考えろと言ってくる」とか。
すべてのケースを否定するわけではない。話を聞いていると、その方の上司が明確な育成目的を持ってそういうアプローチをしているんだな、ということがわかるケースも多い。そういう場合には上司に変わって、上司が想定しているであろう意図をアドバイスしている。だが、どう聞いても明らかに上司がよろしくないケースも多い。「とにかく手当たり次第にやっていれば、そのうちなんとかなる」といった気合と根性だけで仕事をしているタイプや、ろくに自分で考えず、とりあえず部下にやらせて結果を見てからあれこれ思いつきで指摘をする、典型的な「後出し上司」など。
こうしたやり取りを繰り返していて、つくづく思うのは、マネージャーがエースプレイヤーである必要はないが、基本的な仕事力は最低限身につけていなければならないということだ。高度な専門性とか知識で部下に勝てる必要はない。だが、誰もが納得できるような論理的思考力や、タイムマネジメントの力、段取りや進捗管理など、物事を円滑に、無駄なく進めていくための基礎部分をきちんと押さえていないと、部下にしわ寄せが行く。
昔から、エースプレイヤーがグッドマネージャーになれるとは限らないという。その原因の1つがこれであろう。高度な専門知識や、自分自身の気合と根性だけで成果を上げてきたエースプレイヤー。他人がついてこれないような特異なスタイルでしか成果を上げられないエースプレイヤーはマネージャーにはなれない。マネージャーに求められるのは、誰もが理解してついて行くことのできる、合理性や透明性の高い仕事力なのだ。
