2015.09.28
絶対化:
私たちは、何かを評価しようとすると、ついつい比較というアプローチをとってしまう。分かりやすいからだ。しかし、比較というアプローチでは評価基準が浮動するので、その時々の評価はまさに気分次第となる。それ自体はたいして問題ではない。だが、比較の欠点は必ず「上」や「下」を必要とする点である。二つ以上のものを比べるので、当然のことながら「勝ち組」や「負け組」を必要とするのである。
比較以外の方法でものごとを評価する方法を使い分けられるひとはよいが、意外と、比較するという方法でしかものごとを評価できないひとも多い。簡単な日常の判断ならそれだけでもいいかもしれない。しかし、人材の評価育成や企業評価のような包括的なテーマ、あるいは「自分は今しあわせか?」といった概念的なテーマについて評価を行おうとすると、「下」や「上」を決めきれなかったり、見つけられなかったりする。故に、物事について絶対化するための基準や軸を作り出すスキルが、マネジメントを志す上では不可欠になってくるのである。